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5月16日 一般講演 クオーツ健康サロン「眠らない脳はない、なぜ眠れないのか?」日本神経学会認定神経内科専門医の先生が講演を行いました

2017年5月16日

5月16日、徳真会クオーツタワー クオーツギャャラリー10階にて、クオーツメディカルクリニック特別顧問・岩田誠先生による一般講演・クオーツ健康サロンが開催されました。今回のテーマは、「眠らない脳はない、なせ眠れないのか?」 脳を持つすべての動物が行う“睡眠”のメカニズムについて、わかりやすく教えていただきました。

睡眠は脳のクールダウン
脳は非常に多くのエネルギーを消費し、起きていれば100Wの白熱電球に相当する熱を放出するそうです。睡眠は、活動によって発熱した脳を冷ますための機能とのことです。脳は活動によって消費した燃料(ATP)を、使用済み燃料(アデノシン)として蓄積していきます。このアデノシンの蓄積が、脳を睡眠へと導くそうです。

体内時計を司るもの
睡眠と活動をコントロールしているしくみはもう一つあります。体内時計を司っている視交叉上核という器官があります。この視交叉上核は、1日25時間のリズムを刻んでおり、地球の24時間のリズムと1時間のズレがあります。そのまま生活していると、1日1時間ずつ、体と地球の昼夜のリズムがずれていくことになります。しかし、人間はそうはならずに地球のリズムに適応できています。それは、視交叉上核が視神経の上にあり、太陽の光刺激を受容することによって、このズレが調節されるからだそうです。
夜間にスマホやPCの画面を見ると、この視交叉上核が昼夜の認識を誤り、布団に入ってから「眠れない」原因となるそうです。特に、子どもの夜間のスマホ操作には注意が必要とのことです。

まとめ
講義の終盤、たくさん寄せられた質問の中に、「大人はやむ終えず夜間にPCを操作しますが、それはよくないことなのでしょうか」というものがありました。岩田先生の答えは、「大人の勤務時間はさまざま。体が慣れれば問題ない」とのことでした。“睡眠”はすべての動物がヒートアップした脳を冷やすために必ず行うもの、可能な限り質だけは大切にしたいものです。