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歯周病と全身の健康の関係は関連する病気と併せてご説明をさせていただきます。
タバコを吸う人は吸わない人に比べて歯周病にかかりやすく、歯周病の進行も早く、歯周病治療を行っても治りにくい傾向にあることが研究で明らかになってきました。
タバコに含まれるニコチンは歯ぐきの血液の流れを悪くし、歯ぐきに十分な酸素や栄養を十分行渡らせなくするだけでなく、唾液の分泌量も抑えてしてしまうため、歯垢(プラーク)や歯石を付きやすくします。
また、タバコは細菌と戦う白血球の働きが半分程度になるため免疫力が弱まります。
タバコを吸っている患者さまは、吸われていない患者さまと比較した場合、歯周病が改善しない確立がとても高いため、治療に専念する場合はまずは禁煙からはじめることをおすすめしております。
歯周病と心臓病には深い相関関係があり、歯周病原因菌が心臓の血管をつまらせ、心臓の血管の細胞を障害することがアメリカの研究で明らかになりました。
動脈硬化症や大動脈瘤にかかった細胞を検査すると、多くの歯周病関連菌(Pg菌=Porphyromonas gingivalisなど)が検出されます。
糖尿病の患者さまは血液が高血糖になり、毛細血管がもろくなります。そのため糖尿病でない患者さまと比較した場合、毎日のお口のケアをおこたると、歯肉炎をおこしやすくなり、そのまま放置すると重度の歯周病になりやすいと報告されています。
厚生労働省より高齢者(65歳以上)の死亡原因、第1位は肺炎と報告されていますが、肺炎の中でも、口の中の細菌が肺に入り込み炎症を起こす肺炎を誤嚥性肺炎や嚥下性肺炎といいます。高齢になると食べ物を飲み込むためののどの筋力が低下し、本来食道に入るものが気管支に入ってしまうことがよくあります。誤嚥性肺炎をおこした患者さまの肺からは歯周病原因菌(嫌気性グラム陰性桿菌など)が高い頻度で見つかることから、歯周病と肺炎に強い関連性があるとされています。
骨粗しょう症の患者さまは、そうでない患者さまと比較した場合、歯を支えている骨の減少(歯槽骨吸収)が早く、歯周病の進行が早いという報告があります。
また、歯周病で歯を失うことにより食べ物をかむ力が弱まり、バランスよく食事することが難しくなるため、からだ全体の骨密度が低下し、悪循環がおこりやすい傾向にあります。
歯周病にかかっている妊婦さんとそうでない妊婦さんを比較した場合、早産の可能性が高まると報告されています。
歯周病が進行して歯ぐきの炎症が強くなると、歯周組織のプロスタグランディンE2が増えます。このプロスタグランディンE2は、じん痛促進剤として使用されており、子宮の収縮、子宮頚部の拡張作用を促すため、早産を引き起こすといわれています。
アメリカでは歯周病と早産の関連性に関する報告が多数あり、早産であった妊婦さんのお口の中を調べると歯周病の重度である割合が高く、多量のプロスタグランディンE2が影響を与えているとみられます。
バージャー病とは手足の末端の血管が詰まり、炎症がおき、皮膚に痛みや潰瘍をおこす病気です。このバージャー病と歯周病には深い関連性があり、バージャー病にかかった全ての患者さまは歯周病であると診断され、歯周病の進行度合いは中度から重症でした。
痛み、または潰瘍がある部分の血管から採血し、検査を行った結果、血液からは歯周病菌が検出された一方で、正常な箇所からは歯周病菌が検出されませんでした。
歯周病菌は血栓をつくりやすく、皮膚の内側の細胞に進入するとの報告がされています。
歯周病菌がお口の中にとどまらず、体全体に行ってしまい、最悪の場合バージャー病を引き起こすとみられます。
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